やけど

2022.10,6

 私の両太ももには火傷の跡がある。

 幼稚園に行く前の朝食で出された、紅茶をこぼしてしまい、跡が付いた。

 水着や短パン等は履けない。

 小学生の頃、水泳の時間に男子から、指を指されて笑われた。

 大人になった今、男性と深い関係になった時に丁度、目に付く場所だ。

 だから、私は男性が苦手なのだろう。

 両親は火傷させてしまった事を気にして、野口英世の伝記を買って、私に渡した。

 火傷しても、こんな立派な人がいるから、挫けるなと。

 皮膚科の先生も

「年頃になったら、いつでも、手術してあげるからね」

と言ってくれたが、私はそのままでいる。

 この火傷で、嫌いになる男性ならばこっちから、願い下げだ。

 野口英世に憧れた訳では無いが、母が身体が弱ったからだろう。

 母に死なない薬を作ってあげると、学者(科学者)になるのが、私の最初になりたかった職業である。

 顕微鏡を父が買って来て、わらじ虫を拾っては顕微鏡で見ていた。

 とにかく、好奇心旺盛な子供だった。

 人生の3分2は喋り尽くした位によく喋る子だった。

 学者の夢は今何処❓

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