母子家庭

2022.10.8

 私は殆ど、母子家庭と言っていいだろう。

 小6の冬に父が愛人の家に行ってしまった。

 その前から、チョクチョク家には帰らなかったが。

 しかし、離婚はしていなかったので、私と母は経済的に苦しかった。

 そして、愛人と別れると、家に帰って来て、母に暴力をふるった。

 二階の屋根まで、逃げてのぼった位に酷かった。

 私は始めのうちは部屋に隠れていたが、母の前に立ち父から、母を庇ったりした。

 BUCK-TICKの櫻井敦司氏も兄こそいたが、父が暴力をふるっていたらしく、インタビューでは幼い頃の話しをしたがらない。

 私も誰にも言えなかった。

分かる訳がないからだ。

 SOFT-BALLETの遠藤遼一氏は実の父ではない人がやって来て

「男らしくしなさい」

と言われ、男らしいって何?

貴方みたいに乱暴にするのが、男らしいのか?

と疑問に思い、スカートを履いたり、化粧をしたりしたそうだ。

 今まで、母と二人で暮らしていたところに突然、男性がやって来たらとても驚くのは分かるだろう。

 男親がいない子供で育った人間はどこか、儚げである。

 それも、死別ならば納得いくが、家を出て行ったり、暴力を振るわれたりされたら、男性性に疑問を持ってしまう。

 力で何もかもしてしまい、身勝手なのを男性だと感じてしまうからだ。

 私も暴力や争いは嫌いだ。

殴り合いも好きではない。

 しかし、喧嘩で何もかも、解決したがる人がいる。

 何があっても暴力はいけないのだが。

 キャーキャーの悲鳴もビクッとする。

いきなり、あの頃に引き戻されてしまうからだ。

 幼い頃に受けた傷は深い。

 だから、夫婦喧嘩はどんな事であれ、子供の前ではしてはいけない。

 おどおどした人にさせないためにも。

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