チコからの手紙

2022.11.4

 チコは私より、7つ年下の洋服好きな女性だった。

 もう、亡くなって、20年になるが、亡くなる前に、私に一通の手紙を書いて来た。

「のんさん、のんさんは頑張り屋さんだから、必ず良い人と結ばれるはずだけれど、天使はイタズラ好きで、小指には3本の赤い糸と、7本の黒い糸を人に繋げているの。

 黒い糸を引っ張っちゃった時は嫌な思いをするけれど、のんさんなら、必ず、一本の強い赤い糸を引っ張るから、それは高見澤さんだよ。だから、自分を信じて生きて行ってね」

と、書かれてあった。

 チコは結婚が決まっていたが、マリッジブルーになったのか、川に飛び込み亡くなった。

 ウェディングドレスを着て火葬された。

 旦那さんになるはずだった方は大変苦しんだろうが、今は違う方と一緒になったらしい。

 チコの言葉を私はお守りにしている。

 そんな大切な友人が私には何人かいる。

 友達は数ではない。質である。

 例え、意見が違っても、困った時に支え合い、助け合う。

 そんな友人が私には数人いる。

 どんなものよりも大事な宝物だ。

 今の若い子達はじゃれあうだけで、何も高め合わないし、身体を張って守る友が果たして何人いるだろうか。

 失敗は人のせい、神のせい、不運のせいにして、誰も人の為に生きてはいない気がする。

 自分が粉々になる程に頑張ったのか?

 誰かに「助けて!」と、伝えたのか?

 何もしないで、腐っている気がする。

 戦わないと、自分自身に、打ち勝たないと、本当の友人は出来ないし、幸せなんてやっては来ない。

 君よ、孤独に一人、戦え。

孤独を知っている人は友人に恵まれるだろう。

 辛さを分かる人は人に優しくなれる。

 なぁなぁで生きているから、いつまでたっても、幸せを感じられないのだ。

 愛されたいなら、愛を与えよ。

 人は一人では生きていけない。大切な友人を守る気持ちがある人は幸せになれる。

 私は幸せだ。

 チコは天国へいってしまったが、チコの言葉は胸に刻まれているのだから。

 そんな素晴らしい友人が私には何人かいる。

 

“チコからの手紙”. への1件のコメント

  1. NONSAN のアバター

    いいね、いつもありがとう❤️ございます🥰

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