高見沢さんカット

2022.12.5

 みんな女性ならば、聖子ちゃんカットや明菜ちゃんカットにしていた頃、私は高見沢さんカットにしていた。

 両サイドにパーマを掛けて、後ろ髪を長くする髪型だ。

 彼が巻髪になったのはここ10年位である。

 それも、髪が痛むから、メイクさんに巻いてもらっている。

 普段はサラサラのロングヘアーである。

 私が中学生の頃は左右にパーマのウルフカットだった。

 私は好きになると、その人のタイプになるより、その人本人になりたくなる。

 実は小学生の頃、マッチが好きだった。

 髪をショートヘアーにして、当時の私の写真はマッチポーズ(片岡鶴太郎さんが良くマネしていた)で、写っている。

 俊彦が好き(田原さんでは無くて)になってからは美容室で

「高見沢さんカットにして下さい」

に美容師さんは

「パーマかけるけど、いいの?」

校則にパーマは禁止だったからである。

 私はどこ吹く風で

「はい。お願いいたします」

と、しっかりパーマを掛けてもらい、部活の先輩達も

「とらちゃん、高見沢さんカットにしたんだね〜。似合っているよ」

と、誰も注意しなかった。

 私が生粋の俊彦好きなのを皆知っていたからである。

 だから、不良の先輩達から目をつけられたが、部活の先輩が庇ってくれたのだ。

 パッと見の私は所謂、不良だったが、運動部の性で上下関係には気を遣った。

 4月産まれの私だったが、3月産まれでも、一年先輩ならば、敬語で話し、敬った。

 逆に先生には強く出た。

元々、髪の色が金髪気味の私は生活指導の先生に

「髪を黒く染めて来い!」

と言われ

「地毛ですから!」

と反抗した。

 校長先生からは気に入られていたので、一度も怒られた事が無い。

 私を注意するのは私を知らない先生だけだった。

 成績は良かったから、私を知っている先生は皆、多目に見てくれた。

 学級委員長の私が一番、グレた感じだったから、笑える。

 しかし、卒業の時に

「中田、俺はお前がイイ奴だと知っているが、お前の外見を見てイイ奴だと分かってくれる人はそういないぞ。矢張、世間は外見で判断するから、気を付けろよ」

と言われ、高校に入る時に髪を元に戻した。

 しかし、私は愛想が無く、高校の同級生から

「怖い人だと思っていた」

と言われた。

 後、とても同い年には見えないと言われた。

 若い頃、老けて見られる人は歳を重ねると若く見えると言われるが、つい最近も実年齢より、年上に見られた。

 ワケが分からない。

 今の私は俊彦よりも短いショートカットである。

 髪に頼りたくないと感じてから、バッサリ切ってしまった。

 今は夏木マリさんが、お手本である。

 あんな風に自立した女性に憧れる。

 俊彦は刈り上げは止めて欲しいと昔、言っていたが、ならばしてやろうじゃない!と感じてしまう、天邪鬼な私である。

 色白とロングヘアーは七難隠すと言う。

 色が白くて髪が長いとどんな女性もそれなりに見えると言うから、私は逆をいきたくなるのだ。

 故·夏目雅子さんは三蔵法師役で坊主にしても、美しかった。

 私もあんな風になれたら良いが、、、。

コメントを残す