ガタンゴトン

2022.12.30

 今住んでいるアパートは地盤が弱いせいか、トラックが通る度にガタンゴトンと揺れる。

 始めは住所を聞いた時、町の中心部からは離れた所だと思っていたが、仲介業者さんに案内された時、駅裏で割りと便利で、ロフトもあり、荷物も仕舞えるアパートだった。

 大家さんも大らかな方で、独身女性は他の所は嫌がったが、一度で、OKだった。

 ピアノ禁止なアパートだったが、直ぐ側に焼き肉店があり、真夜中まで、賑わっているので、生活音を多少出しても怒られない所は利点である。

 結婚している女性は皆

「私もノンさんみたいな気ままな独り暮らしがしたいな〜」

と、結果だけを見て羨ましがるが、私がこのアパートを見つけるまで、どれだけの不動産屋さんや、大家さんに断られたのか、既婚者の女性はその苦労を知らない。

 夫が居る女性は保証人無しの独身51歳の女がマンションやアパートを探すのにどれだけ大変かが、分からないのだ。

 今、住んでいる所はクーラーも付いていて、人生初である。

 ガタンゴトンと揺られるが、それも心地よく感じる。

 みんな無いものねだりなんだよな〜と感じる私だった。

 自分で好きで結婚しておきながら、こんな風じゃなかったと、独り者の私を羨むが、独り者には独り者の大変さと苦労がある。

 不審者が現れても守ってくれる夫がいないし、寂しい時は自分で何とかするしかない。

 特に年の瀬などは寒さが身にしみる。

 しかし、私は私が選んだ道を歩くだけだから、人を羨む暇などは無い。

 うそぶいている訳では無く、独り暮らしが快適で仕方が無いのだ。

 屋根壁があり、ベッドもあり、オマケにエアコンもある。

 母と雑魚寝したあの時代が嘘の様に感じる。

 住む場所が、あるだけマシである。

 常に感謝の気持ちを持つと、旦那さんや子供達にも優しくなれるのではないだろうか。

 マンネリだったら、たまにはデートしてみる工夫も大事だと思う。

 いつまでも、新婚みたいにはいかないだろうが、互いに新しい好きなところを探すのもまた、楽しいだろう。

 自分の連れ合いを馬鹿にする人は自分が馬鹿だと言っているようなモノだ。

 私だったら、いつまでも、新鮮な気持ちで、夫や子供に向き合うが、結婚している人は違うのだろうか。

私は特定の彼氏はつくらない。

 今日もまた、独り酒である。寂しくはない。

 心の平安を創るのは誰でもない自分自身だから。

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