嘘も方便

2022.12.30

 昔、父の働いているホテルに西城秀樹さんが泊まった。

 ホテルの前には西城秀樹さんのファンの人達で溢れていた。

 父が

「もう、秀樹さんはいらっしゃいませんから、お帰り下さい」

と言っても、ファンの方々は帰らない。

 父は妙案が浮かんで、ファンの人達から、色紙を貰った。

 父が西城秀樹さんのサインを真似て全部にサインを書き

「今、秀樹さんからサインを書いていただきました〜!!」

と、待っているファンの方々にサインを渡すと、皆、帰って行ったそうだ。

 あの時のサインは西城秀樹さんでは無くて父である。

 西城秀樹さん亡き今では時効であろう。

 そうしないとファンの人達は帰らないのだから、仕方がない。

 今でも、家宝になさっている方には大変申し訳ないが、父のサインである。

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