2023.1.9

私は一人娘なので、両親が寂しいだろうと、犬を探してくれた。
実は父は大の猫嫌いで、犬しか思い付かなかった。因みに父はネズミ年だ。
私はフランダースの犬の名前をネロだと思い込み、本当はパトラッシュだが、ネロと名付けた。
ネロは直ぐに家を出て行き行方不明になり、白い犬を父が連れて来た。
単細胞な私はシロと名付けた。
シロは赤ちゃんを産んであの世に逝ってしまい、赤ちゃんの一匹を残して、他の人にあげた。
二代目シロは長く生きたが蚊に刺されて病気になり、あの世へ。
次の日に黒い犬が玄関の前に座っていたので、その犬を家に入れた。
一週間後、犬の注射の葉書が届いたから、母が
「ウチのシロが、亡くなったのを分かって、犬を置いて行ったんだ」
と、言った。
私は黒い犬に高見沢俊彦と名付けた。通称トシだ。
母が散歩していた時に、幼い女の子に
「名前は何て言うの?」
と訊かれ
「高見沢俊彦って言うの〜!」
「俊彦だって!ウチのお父さんとおんなじ名前!」
と、彼女達のお父様は俊彦さんだった。
函館から、秋田に来る時にも、フェリーに乗せて、係の人に見つからないように、甲板を散歩させながら、一緒に連れて来た。
秋田で、一番最初に住んだ家はペット禁止だったが、隠して暮らしていたが、大家さんに保証人が話してしまい、家を出て行く事になった。
新しい家でも、一緒だったが、私が入院して、母がパートから帰ると、母にしがみついてあの世へと逝った。
母はどうしたら良いか分からずに木の下に埋めた。
私も母も居ない時、どれだけ寂しかったのだろうと考えると今も胸が痛む。
トシが、亡くなりもう犬はいらないと感じた。
ペットでは無い。私の頼もしい相棒だった。
トシは私に、ストーカーする男性から守ってくれた。
今はあの世で、母と会っているだろう。
今では大好きな缶コーヒーを好きなだけ飲めるね、トシ。
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