水中毒

2023.1.22

 私は10年位前、一日多くて13ℓ~10ℓの水を飲んでいた。

アルコール依存症が治ったら、今度は水である。

 脱水症状を防ぐためにこまめに水をとった方が良いが、ある方は具合が悪いのは水分不足のせいだと思い、水を飲んだら、益々具合が悪くなり、水中毒と診断された。

 早食い選手権で大量に水を飲み亡くなった方もいる。

水を短時間に大量に摂取すると、血液が薄くなり死を招く恐れがある。

 私はペットボトルの水を飲む度に、何リットル飲んだかメモをして、主治医に報告していた。主治医は

「せめて、5リットルに出来ればいいのだけど・・・・・・」

と言われたが、不安が襲い、水を飲まないといられないのだ。

 手足は痺れてくるし、頭もボーッとしてくる。

当時の寝汗はシーツもパジャマも絞ると水が滴り落ちる位に酷かった。

 水中毒の本を買って読んだり、ネットで調べたりして、1時間にコップ三杯に抑える事から始めた。

 汚い話、食べた物をトイレで全部吐いた。

それでも、水を止められなかった。

多分に今思うと自分の心が満たされていなかったのだと思う。

 よくモデルが「美の秘訣は毎日2ℓ水を飲むことです」などと言っているが、鵜吞みにしてはいけない。

 水分摂取は大事だが、取り過ぎるのは死に至る。

水だからといってバカには出来ないのだ。

 何がきっかけでそうなったのか、どうして止められたのかは当時の日記を見ても分からない。ただ、ノートがペンで切り裂かれていたから、とても不安定だったのは察せられる。

 当時の日記はただでさえ悪筆なのに、何を書いているのか読めない位だが、紙がビリビリに破れていたり、握り潰していたりで心の叫びが読み取れる。

 とても苦しかったから、今は水の飲み方には注意している。

 

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