まあちゃん

2023.1.23

 幼稚園の頃、私は女子で一番背が高かった。

 男子ではまあちゃんだった。

まあちゃんは顔は覚えているのだが、声の記憶が無いくらいにおとなしい子だった。

 良く、私の家族とまあちゃんのご家族で遊びに行った。

 まあちゃんの家は旅館を営んでいた。お姉さんが一人いらして、ピーチくパーチく、うるさかった私もまあちゃんと一緒にいると黙ってても、満たされた。

 海に行った時、とても寒くて

「寒いね」

「うん」

だけ会話したのを覚えている。

 人の話しを聞かなかった私は先生がお遊戯会で

「エンジェルちゃん踊りたい人はこっちに来てください❗」

と言うのを聞きそびれて、アップルちゃんを踊るはめになった。

 アップルちゃんは男子と頬をくっつけて、踊るから、私はまあちゃんとペアにさせられた。

 先生や親御さんは

「まぁ、可愛い❤️」

と、手を叩いたが私は恥ずかしくて、真面目なまあちゃんは先生に言われた通りに頬をくっつけて来る。

 私はまあちゃんを払いのけて踊った。

 私の母がそれを観てまた、笑う。

 こっちにしてみたら、いくらまあちゃんが好きでも、恥ずかしいのだ。

 ああいうお遊戯会は廃止にしてもらいたい。

 女の子は既に女性なのだから。

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