単細胞な私

2023.1.23

 小学生の頃、ほんの少しのきっかけで男の子を好きになった。

2年ごとにクラス替えがあり、1,2年の時、M君を3,4年の時H君を好きになった。

 M君がノートにドラえもんのイラストを’中田へ’とくれた。

たったそれだけで、M君を好きになってしまった。M君はご両親が教師でお姉さんが居た。

 私は何か書く人等、芸術家肌の人を好きになるみたいだ。

M君からのドラえもんは函館に居る間、大人になっても持っていた。

 次のH君は私が休み時間におならをしてしまい、丁度H君が振り向き、慌てた私が人差し指で「シーッ」とすると分かったのか気付かなかったのか、内緒にしてくれたのである。

それで、H君を好きになってしまった。

 函館はホワイトデーにトラピストクッキーを渡すと本命だというならわしがあった。

H君は私の後ろの席だった。

授業中に私の椅子を蹴るので

「な~に?」

「中田、下、下」

と言うので、下に手を伸ばすと何か包みを渡した。

そ~っと、開けるとトラピストクッキーだった。

 授業中というスリリングな光景も相まってか、益々H君を好きになった。

しかし、5,6年にS君という、私より背が低く、徒競走ではいつも1位で、ドッジボールでは敵になると私とS君の一騎討ちになる子がいた。

S君と友人の家に行った帰り道、膝まである雪を二人で歩いていたら、S君の事が好きになっていった。

 しかし、S君は私の友人Kちゃんの事が好きなのを、私は気付いてしまった。

 クラスで誰が好きかを言い合いっこした時、私はS君と言おうとするとS君が

「中田はHだもんな~!」

と、言わせまいとした。

S君とはあくまでも、同志であろうとするのが分かった。

 S君は転校族で、途中で違う土地に移ってしまった。

どうせ別れるのならば、告白した方が良かったのだろうか?

逆にいつまでも別れが無い同志でいた方が良かったのだろうか?

 いまさら、本心を聞きたいとは思わないが、少しだけ、胸が疼く。

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