「あゆ大好き❤️」というバカ男 Vol.2

2023.3.27

 その年下の男の子も大変で、お父様を自殺で亡くしていた。

 その子の部屋で寝ていたら、ラップ音がビシッバシッ聞こえる。

 男の子は平気で寝ていたが、私はお父様が来ているのだと眠れなかった。

 次の朝、お母様は仕事に出ていたので、お婆様がご飯を作って出してくれた。

 漬物からお味噌汁やら、チャーハンまで。

 私は具合が悪かったがせっかく作っていただいたので、全部食べた。

 昨夜、膝を付いて

「初めまして。中田のぞ美と申します。今晩、お世話になります。宜しくお願いいたします」

とご挨拶したら、その男の子に

「そんな人初めて」

と言われたが、私は挨拶するものだと思っていた。

 お婆様は私を気に入ったのか、これでもかと料理が振る舞われた。

 弟さんが居て軽く会釈をした。

 その日は休みだったから、車でゲームセンターへ行ったり、展望台に登ったりした。

 夕飯を母がパートしていた、ラーメン屋さんに行く。

男性を連れて来た私に不満げに社長の息子さんが、男の子に対応したも、私はギブアップ。 

 社長が救急車を呼んでくれて、病院へ運ばれた。

 考えてみると病院暮らしが人生の半分くらいである。

 今も独りで暮らしてはいるが、訪問看護師さんとヘルパーさんに作業療法士さんのお世話になっている。

 その男の子も軽い子だったが私を救ってくれたのにはかわりない。感謝、感謝である。

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