妄想フィアンセ Vol.2

2023.3.31

「それにしても、腹減ったな~。ノンちゃん、何飲んでんの❓」

「シャンディガフ」

「あ~、ビールとコーラで割ったヤツ❗」

「ジンジャーエール❗」

「まぁ、細かい事は気にすんな❗俺は北海道の生ビールで」

と俊彦は生ビールを頼んだ。

 「それにしても、ロープウェイに乗ったら、制服着た綺麗なお姉さんが、何処からいらしたのですか?って声かけられたよ。思わずMacで庇ったんだけどさ。良くないよ。ロープウェイに二人きりって❗」

「電話番号、訊かなかったの❓」

「訊けるもんじゃないよ。この会社、もう少し考えた方が良いよ。盛りのついた男なら、襲っているよ❗」

と、俊彦はMacを抱えて、防御する態勢をしてみせた。

「何のお仕事なさっているのですか?とか訊かれて、弾き語りとかって言ったら、ピアニストさんなのですね?って言われたから、そんなところですって答えたよ」

「アルフィーで~すって言えば良かったのに」

「言えない雰囲気だったよ。それより、ノンちゃん、何かあった❓

いつも、言わないで抱えるからさ。今の若い男は知らんけど、俺たちの世代は女に頼ってもらいたいんだよ。独りでしまい込むなよ。何でも言えよ❗どこでもドアで迎えに来るからさ」

と、Macをどこでもドアに見立てた。

 私は泣きそうになりながらも、俊彦がおかしくて笑った。

 俊彦は私の両頬を引っ張って

「そうそう。笑顔が一番‼️」

と、笑った。

 俊彦といるといつもそうだ。

笑って話しが出来なくなる。

そして、メニューを見て

「イカスミパスタ‼️いや~待てよ、海鮮丼もいいなぁ~」

「また、始まった。30分は掛かりますんで、皆さん、お待ち下さい」

と、私は言った。

 そして、頼んだ料理を一口食べて

「まずい‼️」

と言った。私は慌てて

「黙って食べなさい❗」

と、俊彦を小突いた。

      ・・・・・・続く

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