2023.4.2
「誰も私に寄って来ない」
私は下を向いた。
「当たり前だよ。既に結婚してると思われるんだから。俺だって、寄って来るどころか、避けて通って行くよ。ハハッ」
と、ケタケタ笑った。
「俊彦は威圧感があるのよ。近付いたら行けない気がする」
「そっか~⁉️笑われるけどな。ノンちゃんに寄って来る男って、あんまりいないだろ⁉️男はビビりが多いから」
「でも、振られるのも、辛いけど、振るのもキツイ。振った時、罵声浴びせる人いるから・・・・・・」
に、私は28年前に告白して来た調理師の前で言った。
「そんな男、振って正解❗付き合わなくて良かったよ❗」
に、調理師の男は下を向いた。
私が振って、秋田に移ると、年下の女性社員と付き合った。
私と仲の良かった女の子が
「だったら、のぞ美さんじゃなくて、始めからKちゃんに行けば良かったのにねぇ~」
と、私に電話で教えてくれた。本当にそう思う。いい迷惑である。
当時流行っていた、TVドラマの主人公よろしく、なりきって私に告白して来た。
言い方は悪いが顔も大したことなければ主任になった位で出世したと、私に告白して来た。
私は他に好きな人がいたので、彼氏と距離を置いたのを別れたのだと思い込み、告白して来たのだ。そして、お断りすると
「どうせ、俺おじさんだもんな❗」
と、捨て台詞を吐かれた。
おじさんだからではない。年だったら、俊彦の方が一回りも上である。
生前の母が
「あの男は止め時なさい❗顔が悪いから」
と言った1人である。まさか、本当の事を言って振ると傷付くだろうと、私は黙っていた。
当時、付き合っていた彼氏は顔も良く、お金持ちだったから、出世には全く興味を示さない、そんなのんびりしたところが好きだった。
アルフィーの歌で、See You Againという歌があるが、その歌詞のように恋人のまま別れてしまった。
俊彦にはその事は話している。
だから、私が振った調理師も検討が付いているのだろう。
俊彦は
「ノンちゃんの初めての彼氏は此処にいるのかなぁ~❓」
と、見回した。私は
「いないよ。社内恋愛しない主義だから」
と、私は俊彦の顔を両手で、自分に向かせた。
・・・・・・続く
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