妄想フィアンセ Vol.9

2023.4.3

 「食べた❗食べた~❗」

と、俊彦はお腹を触りながら、上を向いた。

 BUCK-TICKの櫻井と、GLAYの久保は黙って呑んでいる。

俊彦の存在感に圧倒されていた。俊彦は

「ホテルに帰ろう」

と、私に言った。

「いよいよ、スイートルームに私と❓」

「執筆活動❗ノンちゃんは寝てていいよ」

に、私は俊彦の太ももに触り

「ちょっと位いいじゃん」

と言うと、俊彦は慌てて

「俺、感じ易いんだから、駄目だよ❗」

「二人きりになったらね」

「二人きりでも、駄目‼️」

と、俊彦は手をどけた。

 「お先に‼️」

と、俊彦はBUCK-TICKの櫻井とGLAYの久保に挨拶して、立ち上がった。

そして、周りのスタッフに

「のぞ美さんがお世話になりました」

と、一礼した。

慌てて私も頭を下げた。

 ゴルチェのコートを風に靡かせて、俊彦は出て行った。

 私も後を付いて行くと、会計時に

「BUCK-TICKの櫻井君とGLAYのTAKURO君の分も、お会計お願いいたします」

と言った。

マネージャーが

「今のところ、2万8千円になりますが・・・・・・」

に俊彦は

「なら、5万円払っておけば間に合いますよね❓余ったら、皆さんで何か飲んで下さい」

と、5枚出した。

 俊彦はそういうところはきっちりしている。

年上が年下の分も出すと言うところがある。

 私は誇らしかった。この人で良かったと改めて感じた。

 二人でレストランを出た所に私の元彼が座っていた。

 私は会釈をして、立ち去ろうとした。

元彼が

「のぞ美ちゃん❓」

と立ち上がった。

 俊彦は勘づいて

「のぞ美さんがお世話になりました・・・・・・」

と、頭を下げた。元彼は

「アルフィーの高見澤さん⁉️」

と、笑った。そして、私に

「のぞ美ちゃん。良かったね。前から好きだったでしょう⁉️」

と、私に笑って言った。

「ノリは❓今、どうしているの❓」

「実は8年前に結婚して、娘2人いるんだ。突然、のぞ美ちゃんが居なくなったら、20年位、気持ちの整理がつかなかったけど、やっと吹っ切れて、結婚したよ」

に、私は

「ごめんなさい。家の事情で、いきなり辞める事になって、今、秋田に暮らしているの」

「噂で聞いた。ボブ・ディラン観に秋田まで行ったんだ。もしかしたら、のぞ美ちゃんに会えるんじゃないかと思いながら。

でも、今、幸せなんだね。良かった‼️」

と、俊彦とノリは握手をした。

 私達が歩くと、俊彦は

「やっぱり、ノンちゃんの選んだ人だけ、あるな❗いい人じゃん‼️」

と、二人でロープウェイに乗った。

 弓なりになった函館の街を一望しながら、降りた。

      ・・・・・・続く

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