妄想フィアンセ Vol.12

2023.4.5

 その日は俊彦は次の小説の執筆をしていた。

 私は眠るのも、悪くて、横になりながら、俊彦を眺めて、いつの間にか眠剤が効いたのか眠ってしまい、朝9時に目覚めた。

 俊彦は歯を磨いていた。私は

「起こしてくれたら良かったのに・・・・・・」

に、歯磨き粉を左頬に付けながら

「気持ち良さそうに眠ってたからな」

と、私はタオルで俊彦の頬を拭いた。そういうところは小学生並みである。そう言えば、高校生の頃に学ランにグリーンの歯磨き粉を付けて登校していたと、桜井から聞いていた。

 しかし、黙って寝せてくれた優しさには感謝である。

 東京行きの飛行機は11時20分だ。

 私は秋田に行くので新函館駅に向かう。

「またね❗」

「うん。4月7日にノンちゃんのアパートに行くよ。お昼頃には」

 私は

「靴下チェック❗」

と、俊彦の靴下を見た。

「なに⁉️」

「いつも、靴下片ビッコづつ履くから確認ね⁉️」

「子供じゃないんだからって、また、違うの履いてた‼️」

俊彦は今日履いた靴下を捨てて、新しいのを次の日に履く。洗濯するのが面倒だからである。それなのに、何故か何時も左右別々のを履くのだ。

「ノンちゃん、ありがとう❗また、坂崎と桜井に笑われるとこだった」

と、ボストンバッグに手を入れて左の靴下と同じのを探した。

「あった~❗」

「良かったね」

と、私達は離れた。

      ・・・・・・続く

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