妄想フィアンセ Vol.17

2023.4.7

 タクシーで街を走っていた。

私は

「俊彦、一体何を話すの❓」

に、車窓からのように、窓から外を眺めていた俊彦は

「内緒」

と、言った。

 クリニックに着いて、俊彦が運賃を払う。いつもは私一人だから、スマートフォンで払うが。

 いつもの様に受け付けに診察券を出して、番号カードをもらった。

 私は人混みが嫌なので、玄関のベンチで待つ。俊彦に

「寒くない❓」

と訊くと

「私を誰だと思っているんですか~❓」

「アルフィーの高見沢❗」

と言って二人で笑った。

 受け付け番号は7番だった。今は3番である。いつもより、待たなくても済みそうだが、J先生の事だ。患者一人に4,50分掛かる時もある。

 6番の人が診察室に入った。

「俊彦。次だから」

「おう。分かった」

と、田嶋陽子の’ヒロインは、なぜ殺されるのか’の本に栞を挟んだ。

 6番の人が出て来た。車椅子の老女と息子さんらしい、40代位の男性だった。

 私達は診察室の前に立っていた。

J先生がドアを開けて

「7番の方」

と、私を見て言った。

 「J先生。お話ししたい事があるのですが」

にいつもの交換ノートを渡した。

 俊彦を呼んで中に入ってもらった。俊彦は帽子を取り

「初めまして。のぞ美さんとお付き合いさせていただいております、高見澤俊彦と申します」

に、J先生は口をあんぐり開けて見た。そして

「あ~❗へぇ~⁉️」

と、驚いていた。

「アルフィーの❓」

「はい。高見澤です」

に俊彦は私を見て

「ノンちゃん、ちょっと出ていて」

と言った。

      ・・・・・・続く

コメントを残す