妄想フィアンセ Vol.21

2023.4.9

 アパートの側に焼き肉店がある。私は俊彦に

「焼き肉食べよう❗」

と、言って缶コーヒーを6本買った。俊彦は

「また、あげるの❓」

「うん。訪問看護師さんやヘルパーさんの駐車場を無料で借りてるしね」

と言って、中に入った。

 割と混んでいる。

私は店員さんに缶コーヒーを渡して、案内された、テーブルへ二人で座った。

 焼き肉と、俊彦はキムチ鍋を頼んだ。周りがうるさいがそれも心地良く感じる。

私はビールを頼んだ。俊彦が、

「また、呑むの❓」

「まだ、一杯目だよ」

と答えた。私はお酒が入らないと喋れないタイプである。それは俊彦も同じだった。

「俊彦はフェミニストでしょ⁉️」

と、私が言うと、俊彦は首を傾げながら

「どうだろう❓フェミニストですと言って女性に違うと言われたら、違うだろうしな」

ビールが運ばれて来た。

「俊彦の創る歌も小説も女性蔑視していないから」

「そこはチェックするよ。不快な思いさせないかは」

私は続けた。

「特に小説は女性が活躍しているし、自由に恋愛しているし、主導権は女にあり❗って感じ」

「実際そうじゃん❗女性に男は走らされてるよ。良く若い頃は軟弱だの言われたけど、女性の方が強いって」

「だから、私、俊彦が、好きなの❗普通は男性はヘソを曲げて、男は大変だよとか言うのに」

店内では米津玄師のLemonが流れていた。

      ・・・・・・続く

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