妄想フィアンセ Vol.33

2023.4.15

 「あの、星に誓う。いつもノンちゃんを思っている事を」

と、私の手を引いて丘を登った。

 「あと、53分でノンちゃんの52回目の誕生日だ❗」

と、俊彦は私の首にネックレスをしようとしても

「うんしょ、うんしょ」

と、はめれない。私は笑って

「いいよ~。ありがとう❗」

「ノンちゃんの誕生石のダイヤモンドだよ~ん」

に、また笑って

「高かったでしょ⁉️」

「値段訊くだけ野暮だって。給料の3か月分。なんちゃって」

「静岡も夜は寒いね」

に、二人で車へ戻った。私は

「1日早いけど・・・・・・」

と、俊彦の腕に時計をはめた。

「なんか、結婚式みたいだな」

と、笑ってホテルまで帰った。

 俊彦はポケットに入れてあった指輪を渡せないまま握りしめた。

      ・・・・・・続く

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