妄想フィアンセ Vol.39

2023.4.20

 私は寒かった。

俊彦が帰った後、一人部屋に居た。

 何だか胸騒ぎがする。

また、電気を付けないと眠れない日々を過ごす。

 曲創りをしたが、なかなか良い案が浮かばない。

 俊彦との出逢いは私がアルフィーのライブを観た次の日、秋田駅のぽぽろーどを歩いていた時、またパニック発作を起こして道路に座り込んだ時、私の腕を掴んで

「大丈夫ですか❓」

と見るとサングラスに帽子とマスク姿だったが、私は思わず

「俊彦~⁉️」

と言うと

「何で分かったの❓」

「俊彦でしょ⁉️」

「そうだけど、大丈夫❓」

とベンチまで連れて行ってくれた。

 私はブロバゼパムを取り出し水で飲んだ。

「パニック発作なの」

「あ~、(堂本)剛と一緒か~。なら、苦しいでしょ⁉️」

「暫くすると落ち着くと思うから。昨日、アルフィーのライブ観たよ❗」

「へぇ~❗来てくれたんだ❗」

二人は話しが弾んだ。私はLINE交換してと一か八か言ってみた。俊彦は

「他の誰にも教えないと約束したら教えるよ」

と、電話番号を交換した。

「まさか、バッタリと逢えるなんて❗」

「俺の事、俊彦って呼んでるの❓」

「だって、俊彦でしょ⁉️声援する時は俊彦さんだけどね」

「何かお袋みたいだな。ま、いっかー。俺は何て呼べば言い❓」

「ノンちゃん❗」

「ノンちゃん、雲に乗るみたいだな。宜しくな❗ノンちゃん❗」

「これから、東京に帰るの❓」

「うん。午後の飛行機で。さっき稲庭うどん食って来た。あっ、もう時間だ❗家まで送るよ❗」

「大丈夫❗俊彦と話したら落ち着いたから。気を付けて帰ってね❗」

「うん。何かこれも運命だな~」

「ずっと好きだったから、私は。小6の頃から。俊彦のせいで人生メチャクチャ❗」

に俊彦は下を向いた。私は

「後悔してないって‼️」

と、俊彦の背中をおばちゃん叩きして、笑った。

      ・・・・・・続く

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