2023.4.22
俊彦は東京に着いて、直ぐに電話しようとしたが、焦っていると思われたくない為戸惑った。
私はどうやら俊彦の初恋の相手にそっくりだったようだ。
あの淡い失恋の痛みに俊彦は目を瞑った。
15歳の頃に知り合った女子大生に夢中になった。彼女の部屋へ行くと
「あなただ~れ❓」
と言われて奥に目をやると大人の男性が座っていた。俊彦は弄ばれただけだった。
それ以来、女性を信用出来なくなった。
高校時代は遊びまくった。
やっては捨て、友人と女に飽きたら取り替えっこをしたり、いつしか、誰からも信用されなくなって行った。
大学生の頃に坂崎から学食でカレーライスを食べていた時に
「君、高見沢君って言うんでしょ❓」
と、声を掛けられた。
その日に意気投合して、次の日に桜井のバンド、コンフィデンスにコーラスとギターでコンテストに参加。
アルフィーは行き当たりばったりで出来たバンドだ。
桜井とは高校が一緒だったが、桜井はフォーク、俊彦はハードロックと敵対していたが、お互いに心ではリスペクトしていた、不思議な関係である。
コンテストで桜井のボーカルを買われて、プロデビューするもルックスで俊彦がボーカルになり、散々な結果となった。
絶対売れると言われるも3作目にして、レコード会社を解雇された。
それから、俊彦の反撃が始まった。
・・・・・・続く
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