妄想フィアンセ Vol.41

2023.4.22

 俊彦は東京に着いて、直ぐに電話しようとしたが、焦っていると思われたくない為戸惑った。

 私はどうやら俊彦の初恋の相手にそっくりだったようだ。

 あの淡い失恋の痛みに俊彦は目を瞑った。

15歳の頃に知り合った女子大生に夢中になった。彼女の部屋へ行くと

「あなただ~れ❓」

と言われて奥に目をやると大人の男性が座っていた。俊彦は弄ばれただけだった。

それ以来、女性を信用出来なくなった。

 高校時代は遊びまくった。

やっては捨て、友人と女に飽きたら取り替えっこをしたり、いつしか、誰からも信用されなくなって行った。

 大学生の頃に坂崎から学食でカレーライスを食べていた時に

「君、高見沢君って言うんでしょ❓」

と、声を掛けられた。

 その日に意気投合して、次の日に桜井のバンド、コンフィデンスにコーラスとギターでコンテストに参加。

 アルフィーは行き当たりばったりで出来たバンドだ。

 桜井とは高校が一緒だったが、桜井はフォーク、俊彦はハードロックと敵対していたが、お互いに心ではリスペクトしていた、不思議な関係である。

 コンテストで桜井のボーカルを買われて、プロデビューするもルックスで俊彦がボーカルになり、散々な結果となった。

 絶対売れると言われるも3作目にして、レコード会社を解雇された。

 それから、俊彦の反撃が始まった。

      ・・・・・・続く

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