不良少女になれなくて

2023.9.7

 小学生の 私のスケジュールは はるかに今より忙しかった

 月水金は 珠算 教室に通い 月曜日は その後 ピアノ習い 火木は 学習塾 土曜日は 書道教室に通っていた

 小学校4年生になった頃 父が NHKラジオ基礎英語のテキスト

私 のテーブルに置いて

「小学校4年生にもなれば この程度の英語ぐらい 筆記体でかけて ネイティブに話せて 意味がわからなければ恥ずかしいからな」

と言われ 私は 筆記体の練習と ラジオの ゲストの 外国人の 発音を一生懸命 真似た

 物心ついた時には 周りは 世界文学全集 日本文学全集 三島由紀夫全集 吉川英治の歴史 それぞれの作家の生き様の 書かれた本が 置かれていた

 父に

「ここにある本を全て読んでもいいけど 三島 だけは中学生になるまで読んじゃダメだからな」

と言われた

 子供心に ダメだと言われたものに 興味を示し 小学校低学年で 隠れながら 三島由紀夫全集を全て読んだ

 小学校低学年だから 三島の 文体の美しさ など 理解し得なかったが 男性でも男性を愛する人がいるという ボーイズラブを 理解した

 しかし 小学校へ行くと 男子の 〇〇が 女子のΧΧを好きなんだって~ と盛り上がってるところを見て 同性同士でも 愛はあるのに なんでかなと 自分1人が取り残された気がした

 中学時代は フライング V のギターを持ち 学校に通い バスケット部に明け暮れた

 私は 高見沢俊彦さん以外と結婚しない と公言していたので 同級生はおろか 教師すら 一目置いていた

 そして バスケの練習と ギターの練習と ピアノと 暇があれば 哲学書を読みあさる日々

 高校に入って つまらない授業の時は 教科書の下に 単行本を置いて それを読みふける始末

 放課後は エレキギターを弾き バイトが禁止されていたが 隠れてバイトをした

 とにかくお金が必要だった

 周りは

「どうして 中田さんに彼氏ができないんだろうね」

と 不思議がっていた

 しかし 私が本当に好きなのは 高見沢俊彦 だけだから 彼氏を作らなかった

 グレれ もせずに お金 必要で バイトを続け 本を読みふける日々

 高見沢俊彦に 釣り合う女になることに一生懸命だった

 だから外見はおろか 中身も一生懸命 磨いた

 そんな私に 同級生は

「 私たちより大人だと 付き合いづらい」

教師すら 私に話しかけられづらい そういう 女になってしまった

 どこへ行っても 取り残される私は 一人ぼっちだった

 

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