亀井勝一郎が繋いでくれた縁

2023.10.16

 中学生の時に図書室に寄ると、亀井勝一郎の文庫本が置いてあり、その本だけまだ読んだ事が無かったので借りた。

 その帰りに生活課の先生がやって来て、抜き打ちの持ち物検査が行われた。

 私は買ったばかりのBEST HITの雑誌をカバンに入れていた。先生課の先生はそれを手に

「やっぱり、中田はこんな雑誌を持って来て。玉置浩二なんて今頃、流行らないだろ❓」

に私は俊彦が載っているから、買ったと心の中で言った。

「あれ❓まだ、何か入っているぞ❗」

と、私のカバンから亀井勝一郎の文庫本を取り出し

「中田は亀井勝一郎なんて読むのか❓」

「はい。三島由紀夫は全巻読んだけど、家にその本だけ無くて図書室から借りました」

と答えると取り上げたBEST HITを返してくれた。

 卒業間近にその先生と職員室で談笑した時に

「中田。俺はお前が真面目でイイ奴なのは分かっているが、世の中の大人はなんだかんだ言って、外見で判断する。今のお前を見て、真面目でイイ奴だと分かる大人はまずいないだろう。

言い方は悪いが不良で遊んで歩いている女にしか、見ない。

だから、もう少し、外見を中身に寄せるようにしなさい。

 それにしても、中田は小中学生で、三島由紀夫や亀井勝一郎なんか読むんだ⁉️俺は社会人になってからだぞ」

と言われた。私は

「実は一人娘で、家に帰ると、音楽を聴きながら、本を読むしか趣味が無いのです」

「そうかー。高校生になったら、外見をもう少し何とかしなさい。俺はそれしか言えないから」

とすっかり顔と名前を校長先生の次に覚えられてしまった。

 未だにこの言葉は胸に残っている。

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