「音叉」を読んで唯一、残念な点

2024.1.2

 私は高見澤俊彦さんの初小説、音叉を読んで唯一、残念な点がございます。

 主人公の雅彦が最後にお付き合いした女性加奈子が

「私、ホステスになる」

と、言った点です。

マトモな女性なら、いくら美人に産まれて来ても、ホステスやコンパニオンや秘書になるとは言わず

「私、土方をする」

と、言っている筈なのです。

 そして、雅彦が本当に加奈子を愛していたら、止める筈なのです。

 高見澤俊彦さんは多分

「ホステスやコンパニオンや秘書も立派な職業だよ」

と、物分かりの良い男性をアピールする為、雅彦をその様な男性に設定したのです。

 「加奈子がホステスやるなら、応援するよ❗No.1になれよ❗」

と、言ってしまった文章が書けるのです。

 私は22歳から24歳まで、ウェイトレスを致しておりました。

 ある時、一つ年下のウェイターをやっている男の子に

「のぞ美さん。こんな所で働いていないで、コンパニオンでもやれば❓」

と、言われました。

 私は分かりました。

正直、その男の子よりも、頭が良く、仕事も出来たからです。

その男の子にしてみたら、自分より、頭も良いし、仕事が出来る女性が側にいたら、男として立場が無いと思ったからです。

 男性にしてみたら

「美人に産まれたのだから、その美貌を売れよ❗」

「女に産まれたのだから、女を売れよ❗」

と、言っているのに等しいのです。 

 今は18歳で成人になってしまいます。

その男の子はもう既に大人の男性です。

 私はその様な職業はしたくはないと、言いました。

「コンパニオンにもプライドがあるんだぜ❗」

と、その男の子は言いました。

一体、その男の子に何が分かるのでしょう❓

 その男の子は父親がそれなりの会社に勤めていて、お母様が幼稚園の先生で、お兄様がエリートサラリーマンの次男坊でした。

 ハッキリ言って、苦労知らずのボンボンですからそんな言葉を私に発したのです。

 私はある時、二人の男子高校生と知り合いになりました。

 一人の男子高校生と帰り道が一緒だったので

「のぞ美さん。誰にも言っていないんだけど、両親が離婚して、母親が癌になって入院していたのだけど、今は自宅療養中で姉がいるんだけど・・・・・・」

と、話して来たので、私は

「お姉様は何をされてるの❓」

と、訊くと、恥ずかしそうに

「コンパニオン」

と、小さな声で私にだけ、伝えたのです。

 もう一人の男子高校生はアルバイト3つ掛け持ちして、病気で倒れてしまいました。

 その男の子のアパートに招かれて、お母様が私に紅茶を入れて下さいました。

「ウチの息子と、お友達になって下さりありがとうございます。実は、一番最初の男性との間に息子が産まれましたが、夫になった男性が調理師で、一流になりたいから、フランスへ行くと言って、離婚致しました。

 次の男性との間に妹が産まれたのですが、どうしても、息子と、合わなくて、離婚致しました。

 実は、息子から聞いていらっしゃると思われますが、私はコンパニオンをやっております。

 仕事に行く途中、実家に妹を預けるのですが、実の親と言っても、息子まで、さすがに預けられません。

 息子は今年で17歳になります。

正直、母親として、息子を一人アパートに残してしまう事がとても辛いのです。

 息子は寂しくないから、妹を預けて、仕事に行って来なよ❗と、強がって見せますが、真夜中、電気を付けながらDVDを観て、一切、寝ないのです。

 息子の気持ちを考えると、母親として、いたたまれません」

と、私にお話して下さいました。

 私は紅茶を飲み干して、お礼を伝えて、その男の子の部屋に入りました。

 私はその男の子に

「病気で高校へ通えないのは分かるけど、通信でも良いから、高卒の資格をとったら❓

もしくは、やりたい仕事の資格を取ってみたら❓」

と、伝えたところ

「のぞ美さん。俺のお袋、美人とはいえ、今年で40歳になるんだ。どんどん若い女性に仕事を持って行かれているから、後何年、コンパニオンをやれるか分からないし、俺の妹はまだ、小学4年なんだ。男の俺が働かなくて、どうするんだよ」

と、言われましたが、もう一度私は同じ事を話しました。

「その為にお母様はコンパニオンの仕事を頑張っているのだから、もう一度だけ考えてみて」

と、伝えてそのアパートを後にしました。

 その男の子達から一切

「のぞ美さん。美人に産まれたんだから、ホステスやコンパニオンやれば❓」

と、言われた事はございません。

 その男の子達は分かっていたからです。

どれだけ、男性が女性に酷い事をして、極一部の女性が汚い手を使ってお金を稼いでいるのかを。その男の子達は母親や姉にコンパニオンをやらせている、俺って、男としてどうよ⁉️と、悩みながら生きているのです。

 ある女性が病気になり、市役所に生活保護の申請をした時

「夜のお仕事でもなさったらいかがですか❓貴女位なら、ホステスやコンパニオンになれますよ❗」

と、心無い男性職員に言われて傷付きながら、帰って行った女性もおります。

 その女性はホステスやコンパニオンをやりたくないから、生活保護の申請に来たのにです。

 人間の8割は

「ホステスやコンパニオンや秘書も立派な職業です❗」

と、言ってしまいますが、ハッキリ言って綺麗事です❗

 一流クラブのママが

「私は専業主婦と違って自立しております❗」

と、テレビでバカな事を言います。ハッキリ言って貴女の方こそ男性に頼り切って、お金を貰っているじゃないか⁉️と、私は思ってしまいます。

 バカな男性こそ

「あそこのママは綺麗なだけじゃなく、着物の着付けも出来るし、3ヵ国語も話せるし、新聞全部読んでるし、政治、経済に詳しいから、立派な女性だよ」

と、言ってしまいます。

 ハッキリ言って、うわべだけで判断してしまいます。

 本当に立派な女性なら、ホステスやコンパニオンや秘書なんて、一切致しません❗

 自分の足でしっかりと立ち、何度転んでも、また立ち上がり、男性に媚びを売らずに必死で生きております。

 大人の男性ならば本当に美しい女性を見抜ける筈なのです。

 貴方もそろそろ、大人の男性になりなさいな❗

コメントを残す