「脳の2,3本のネジが落ちているはずです❗」

2024.1.17

 俊彦のお父様、栄さんは兎に角、無口な男性でした。

「お早う」「いただきます」「ごちそう様」「ただいま」「行って来ます」「お休み」意外、食べる時も、黙っておりました。

 逆にお母様の久美子さんはしょっちゅう、俊彦を叱りました。

 ある時に炊飯器を開けた瞬間「俊彦❗ちょっと来なさい❗」

と、俊彦は(俺、また何か仕出かしたのかな❓)と、思いながら、久美子さんの元に行くと

「俊彦でしょ❗このご飯黙って食べたのは❓」

「俺じゃない❗兄貴だと思う」

「淳一なら、自分で小腹が空いたら、近所のスーパーに行ってちゃんとお菓子なりを買って食べる事位、母親の私がよ~く、分かっているわよ❗何回言ったらわかるの❗」

と、大人になって、桜井と幸ちゃんにその話しをすると

「おまえ、ご飯が大好きなのは分かるけれど、ご飯をお茶碗に入れて普通食べるだろ❓何故、わざわざおにぎりを握って食べるんだよ❗」

と、二人同時に言います。

 栄さんは短くて、1ヶ月、長くても2ヶ月に一度

「俊彦❗ちょっと来い❗」

と、雷を落として頭にげんこつを打たれます。

 ある時、俊彦がまた栄さんに呼ばれて(こんどは、勘当させられるか、俺、殺される)

と、思い思わず

「俺じゃない❗兄貴だと思う」

「淳一がこんな事する訳が無い❗父親の俺がよ~く分かっている❗何故、嘘をつくんだ❗」

と、げんこつを喰らって

「ごめんなさい」

「もう、部屋に戻って良い❗」

と、何故、そんなに怒ったかというと、栄さんは囲碁が大好きなのです❗

 夕食を食べたら、囲碁の本を読みながら、一人で囲碁をしようとして、黒の碁石を開けて、白の碁石を開けた瞬間にその全ての白の碁石に黄色のマジックペンでイタズラ描きをしたのです。

 実はその碁石全てが象牙で造られた、かなり高価な品物です。栄さんは一生懸命、お金を貯めてようやっと購入した碁石セットだったのです。

 栄さんにしてみたら

「今日はあの、購入した碁石で作戦を練ろう❗」

ルンルン気分で開けた途端にあの高価な白の碁石に全部、黄色のマジックペンでイタズラ描きをされて、かなりショックを受けたはずです。

 それからというもの、わざと

安いプラスチック制の碁石ばかりを買うようになりました。

(また、俊彦の事だから、イタズラ描きするだろう)と、安いプラスチック制の碁石ばかりを買ったのです❗

 そして、小学1年~6年までの全担任の先生に書かれました。

 普通、通信簿の親御さんへのアドバイスに

「落ち着きがありませんから、どうかご家族でサポートなさって下さい」

「とにかく、無口なので心配です」

位、皆さんも一度は書かれた事があるでしょう❓

 俊彦のお父様とお母様も、それなりに担任になった事がある学校の先生でした。

 ある時一年の担任の先生に

「お宅の息子さん。確実に脳の2,3本のネジが落ちているはずですから、私が一生懸命探しても、見つかりませんので、ご家族で探して差し上げて下さい❗」

 二年の担任の先生から

「多分、脳の2,3本のネジが落ちているはずです❗今直ぐに探して、そのネジをしめて下さい❗」

と、1年~6年の全担任の先生に書かれました。

 多分、全世界で俊彦だけでしょう❗

 ある時、給食に出された食パンを一枚だけ食べて、もう一枚をおやつ代わりに食べようとランドセルに入れたまま、すっかり忘れてしまったのです。

 久美子さんが俊彦の部屋が何か臭う❗なんだろう❓ランドセルがとにかく、臭う❗

と、開けて逆さまにしたら、カビだらけの食パン一枚が落ちて来ました❗

 その時、久美子さんは

「俊彦❗こうやっているから、毎年担任の先生に脳の2,3本のネジが落ちています❗と貴方、書かれるのよ❗」

と、叱られたそうです。

 世界中の皆さん、高見澤俊彦さんの脳のネジを探した方はアルフィーマニアの事務所宛てに俊彦の為に送ってあげて下さいませ。

 多分、未だに脳の2,3本のネジがどこかに落ちているはずです。

 私も確実に脳のネジが5,6本落ちたから、未だにこうした人間なのです。もしかしたら、人間では無いのかも知れません。

 未だに、俊彦を見ていると、まだどうやら、未だに脳のネジが探せない事が分かります。

 「アルフィーの高見沢さんの脳のネジ、見~つけた❗」

と、拾った方は是非ともアルフィーマニアの住所を書いて、

高見沢俊彦さん宛てに送って差し上げて下さいませ🌹

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