俊彦の無茶ぶり

2024.2.17

 ピアノはコンサート、1回1回、調律する。

 ピアノはコンサート1回で調律しなければ、素人には分からないだろうが、プロならば調律が狂っていると分かってしまうからである。

 しかし、ギターは4曲も弾いてしまうと、音がズレてしまうから、何回もギターチェンジしないといけないのだ。

 そこで、俊彦はギターチェンジをする為に、ギターを聴かせるだけでは無く、魅せる芸術作品にしようと、ESPという、ギターを創る会社に頼んでいる。

 ある時は

「エンジェル」

とだけ言って、ギターを創るプロたちを困らせた。

 そして、完成したら

「これは最高だな❗今度はスイッチを押したら光るギターを作ってくれ❗」

と、また、ギターを創るプロたちを困らせた。

 そして、今度は

「トランプ」

と、言ったので

「どういうギターですか❓」

に俊彦は

「トランプって、4種類あるだろ❓だから、4本ネックのギターを作ってくれ❗」

と、またまた、困らせた。

 今度は

「ゴジラ❗」

と言われて

「高見沢さん❗僕たち、ギターを創る会社であって、おもちゃを創る会社ではないのです❗」

と、言われてしまったが

「今度、ドラえもんの主題歌をやる事になったから、ドラえもんのギター❗」

と、言って去って行った。

 みうらじゅん氏がやっているNHKの番組で

「アルフィーの高見沢さんにどんなギターを弾いてもらいたいですか❓」

と、一般人にイラストを募集させた。

 男子中学生の描いた、わんこそばのギターを俊彦はえらく気に入って、ESPに

「わんこそば」

と、言って

「高見沢さんに何を言ってもダメなんだ」

と、思って、わんこそば型ギターを作って、その男子中学生の前でメリーアンを弾いてみせて、とても喜ばせた。

 エンジェルギターは俊彦しか弾けない。

 ある若手ミュージシャンにエンジェルギターを渡して弾かせたが、とにかく、しっくりしないのだ。

 俊彦だけである。

あんな変形ギターを持っても、違和感が無いギタリストは。

 俊彦はギターは聴かせるだけでは無く、魅せる芸術作品だ❗

という、信念の元であんなギターを570本以上、持っているのだ。

 エレキギターはテクニックだけでは無く、そのギターを持ってもしっくり来るか❓と周りに感じさせれないと、私はダメだと思っている。

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