2024.6.3
入院中にいつも
「今日、何日❓」
と訊く女性がいる。
私が
「5月30日です」
「何曜日❓」
「木曜日です」
「ありがとう」
と1回目訊いた。
また、違う日に
「今日、何日❓」
「5月31日の金曜日です」
「ありがとう」
と訊いた。
また、違う人に
「今日、何日❓」
「5月31日だよ❗」
「ありがとう」
と訊いて歩いていた。
私がある事情で個室になり、消灯が夜の9時だったがpm8時半にベッドに横になり、ドアを開けていたら、ナースステーションの看護師さんに
「今日、何日❓」
「1日❗」
「3月1日かい❓」
と聞こえて、私は思わず
「えっ👀⁉️」
と思った。
今年は暖冬だったが、いくら何でも秋田の3月はまだ、寒いから、どうして6月なのに3月と思ったのか❓
そうしたら、看護師さんが
「6月1日❗」
「明日は❓」
「6月2日❗もう今年も半分だよ❗早いな‼️お休みなさい❗」
「お休み」
と言って部屋に戻って行かれた。
そうしたら、ある患者さんが怪我をなさって、私が大部屋に移動になり、お隣の方に話し掛けられていると
「今日、6月4日かい❓」
「6月2日です」
「ありがとう」
と、また、
「今日、2日かい❓」
「2日です。明日は3日です」
「ありがとう」
と言って、また、お隣の方が話し掛けて来たので、答えていると
「誰と喋っているの❓」
「お隣の方です」
「ウルサイ‼️寝るんだから❗」
と、まだ、夜の8時だったし、話し掛けられたから、答えていただけなのに注意された、笑。
そういえば、男性看護師さんも消灯後にモップで床掃除をしていたら
「ウルサイ‼️寝るんだから❗」
と言われて
「ごめんな~」
と謝っていた事があった。
女性看護師さんに伝えると
「明日、退院で部屋を変わってもらったのに申し訳ない」
と言われた。
私が入院した病院は精神病患者よりも認知症患者が多い病院だった。
母がアルツハイマー認知症だったが、母はある程度の人生を私は把握しているから、話しが飛んでも何とかついていけるが、私を息子だと思って話し掛ける女性がいて、何とか話し相手になってあげたり、博子さんは
「マダムジュジュ・・・・・・」
と言い続けたり、俊子さんは、静子さんがご飯を食べて、下げようと立ち上がると
「立たないで下さい❗」
と言ったので、静子さんは
「ご飯下げようと立ったらダメなの❓悪い❓」
と訊くと
「悪くねぇ~❗」
「でしょう❓」
と言ったので、私は
「俊子さん。静子さんは悪くないですよね❓」
と言うと、ご自分が
「悪くねぇ~❗」
と、言った事が可笑しかったらしく、クックッと笑うと
「俊子さん。笑うと可愛いのよ❗」
と、静子さんが言う。
俊子さんはご飯が食べられないから、栄養ドリンクを与えられて、飲んだら
「飲みました❗」
と、必ず言う。
看護師さんが
「俊子さん。分かった~」
と、言うと、博子さんが
「マダムジュジュ・・・・・・」
と、言いながら、ご家族に買ってもらったであろう車椅子の裏のポケットから、ブラシを出して、髪をとかしておめかしをする。
そうしたら、私を息子だと思って話し掛ける女性が手を叩いたら、俊子さんが
「手、叩くな‼️」
と、言うと、看護師さんが
「俊子さん。そういう風に言わないの」
と、言っている間に博子さんがお茶を飲んでむせながら、ゲボゲボ言って、笑っているのである。
また、違う女性が
「私、何にも悪い事して無いのに‼️」
と、多分PTSDだろう。泣き出すと、俊子さんが
「うるせ~な‼️」
と、言って、看護師さんが
「俊子さん。怒鳴らないで」
と、言ったかと思うと、博子さんがご飯を食べたがらずに
「ご飯食べれ~❗」
と、また、俊子さん。
もうお一人の女性がキー‼️と叫ぶが、私が
「前を失礼致します」
と言うと、笑顔でお辞儀をなさって下さる。
認知症だからといって、バカにしたり、赤ちゃん言葉で話し掛けるから、怒るのである。
木曜日の午後、デイルームで作業療法士さんが
「たが付く4文字熟語は❓」
に、みんなに我が儘だと言われている美和子さんが
「次男坊のたかのり❗」
と、言った。
私はどれだけ、息子さんに会いたいのだろう⁉️と辛くなった。
美和子さんは好きで我が儘になっているのでは無い。
全てお粥だし、魚も肉も全てすりつぶしたのを、一品一品出されているので、私は
「美和子さん。まるでコース料理ですねぇ」
と、言うと、看護師さんが
「そう。ディナーなの」
と、言うと、お隣の患者さんが
「美和子さん。一度、喉を詰まらせたから、一品づつ出されるの」
と、新参者の私に教えてくれた。
入院患者の唯一の楽しみはご飯くらいなのに、全てお粥だから、美和子さんの楽しみは塗り絵か貼り絵と火曜日の歌コンと週2回のお風呂だけだし、俊子さんは栄養ドリンクだけだし、私を息子だと思って話し掛ける女性は糖尿病のインスリン注射が痛いらしく、バタバタしている。
俊子さんはたまに立ち上がると、気付いた佑子さんが、止めに入ると、看護師さんが
「触らないで‼️」
と、怒鳴る。
佑子さんが、前に止めようとした時、凄い力で佑子さんの腕を握って痛めたからだ。
私は俊子さんが立ち上がると
「お部屋に戻られるのですか❓」
と、訊くとウンっと頷いて、ご自分の布団へとスライディングする。
そういう方もいらっしゃるから、ベッドに柵をなさる方もいらっしゃるが、俊子さんのように、ベッドではなくて床に布団を敷いている方もいらっしゃる。
これだけのお母様方がたったのお一人で病院に預けられていらっしゃるのだ。
色々とご事情があるのは分からないでもないが、ご自分のお母様をお金だけ払って、病院に入れて、親孝行だとは私は思えない。
勿論、憎むべき親もいる事は確かであるが、普通に育ててくれた親を、結婚して自分に子供がいるからという理由だけで、あとは病院任せ、医者、看護師、介護士任せで、そのようなお子さんが恋愛する資格があるのだろうか❓
私の友人でも
「親の面倒なんかみないし、私も息子に面倒みてもらわないよ❗」
と、言った次女の女性がいたが、こうした所に入院してまで、平気な顔をして言ってのけられるだろうか❓
母親の介護をした私には周りの女性たちが余りに辛くて見ていられなかった。
女親は息子に会いたがり、娘をつかえないと見限る女性が多い。
静子さんも
「次女にはもう頼まない❗退院して、独りでやって行くか、長女はいつでも来てね❗と言ってくれている❗次女は先生の話ししか信じないで私の半年の入院生活を何にも分かっていなかったから❗」
と、私に怒りをぶちまけた。
私は父親が母親に暴力をふるっていたから、盾になって母親を守っていた。
正直、死ねばいい❗と何万回も思った。
しかし、父親がくも膜下出血で倒れたと聞いた時、生きていて欲しい❗と願ってしまった。
普通は親が亡くなったら、悲しめるが、私は父親が亡くなった時、本当に悲しかったが、あれだけ死ねばいい❗と思った事は事情である。
相反する感情が私の中に渦をまいて、自分の心を自分でどう表現したら良いのか分からなかった。
こうした人間もいるのだ。
それでも、私は両親の一人娘で良かったと今では感謝している。
それなのに、普通に育てられた子供たちが親を病院投げするのはまるで乳母捨て山ではないだろうか❓
そして、自分だけ、恋愛したり、結婚して子供を育てている。
なんともやりきれない、我が国日本である。
私は両親もきょうだいも頼れる男性も子供もいないから、独りで何とかしようと覚悟は出来ているが、ご自分を育ててくれた親を見捨てられる、お子さんたちの心は如何に❓
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