2024.6.8
入院先で、最後に同室になった女性に
「中田さん。私、若い頃、フォークギターを弾いていたのだけれど、3曲位しか弾けなくて、ガロの学生街の喫茶店をコード弾きしか出来ないのだけれど、自分で作詞・作曲、3曲位しか無いのだけど、趣味でいいから歌を唄いたいのだけど・・・・・・」
と話し掛けて来た。
そして
「トンガって、5000円位で買えるかな❓前は駅前に楽器店があったけど、今、遠くなったじゃない❓中田さん、詳しいから教えて欲しいのだけど」
と、訊いて来た。
私は
(トンガ⁉️)
と、思いながら
「今はネットでも買えますし、中古品とかありますから、ピンからキリまであると思いますよ。でも、ガロの学生街の喫茶店をギターで弾けるなんて凄いですね❗」
と、言うと
「凄い下手くそなの」
と、仰ったので
「学生街の喫茶店をご存知なら、ボブ・ディランもご存知でしょう❓洋楽をやったら、ギターももっと、上手になると思いますよ」
彼女は渋りながら
「英語の歌はいいの。自分で作詞したから、それをトンガを叩きながら歌おうと思って」
と、仰ったので、私はひっくり返りそうになった。
その女性は今年で59歳になる。
大人になってから、ピアノやアコースティック・ギターを習う方は数多いが、トンガを叩きながら歌おうと言った人は私は初めて会った。
私はせいぜい、裸足で踊りながら唄うか、楽器を誰も演奏してくれないのなら、エレキギターを掻き鳴らしながら唄うか、下手くそだけど、ピアノを弾きながら唄う位しか発送がなかったからだ。
3曲、歌を創って、トンガを叩きながら歌おうと言った、その女性に私は恐れ入った。
上には上がいる。
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