もしも、俊彦の彼女になったら

2024.8.10

 「のぞ美さん。誕生日おめでとう❗俺のプレゼント❗」

「あ~、俊彦さん。覚えていてくれたの❓」

「一生懸命、創った、俺の愛の歌❗聴いてくれ❗」

♪のぞ美❗愛してる❗おまえだけ❗♪

と、永遠にその歌詞だけを連呼する。

「ありがとう❗私、嬉しい❗」

と、言うしか無いのです。

 次の年

「のぞ美さん。誕生日おめでとう❗俺からのプレゼント❗」

「お手紙❓」

「いや、俺のポエム❗自信作❗」

「俊彦さん。なんて書いてあるの❓」

「のぞ美❗おまえは俺だけのモノさ❗髪が揺れる度に俺の心は爆発寸前さ❗なっ❗最高だろ❓」

「最高ね❗」

と、言うしか無いし、次の年は

「のぞ美さんだけの俺のオリジナルアルバム。限定盤❗これをプレゼント❗」

本当にCDを出しているのに、自主製作CDではなくて、100均から買ったであろう、1枚50円のパソコンで入れる事が出来るCDに一生懸命ダビングして、10曲、全部

♪のぞ美❗おまえは俺だけのモノさ❗♪

の歌詞だけを連呼する、お手製のオリジナルアルバムをプレゼントするでしょう。

 詩人とお付き合いしたら

「のぞ美さん。僕が書いた詩を読んで下さいますか❓」

「あっ、この詩はやっぱり最高ですね❓」

「今、セミプロですが、プロになったら、詩人は余りお金が無いけど、僕と結婚して下さいませんか❓」

「実は私、結婚願望が全く無いので、貴方の好きな道を歩んで下さい❗」

「でしたら、このまま、お付き合いして下さい❗」

と、言って下さるでしょう。

 よく、売れないミュージシャンの彼女のプレゼントの第1位が自作の歌ですが、売れてからも勘違いするのです。

 「あのバッグ、素敵❗」

と、言うのは約5千円。

「あのネックレス、大好き❗」

は約1200円ですが、高級レストランで奢ってくれるのに、全く気付かないから、不思議です。

 てすから、ミュージシャンとお付き合いしても、プレゼントは期待してはいけません。

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