絵本のチカラ

2024.12.25

 私は物心ついた時には3000冊以上の本に囲まれていた。

 だから、わざわざ図書館に行かなくても、読みたい本は家にあったが全て父の蔵書である。

 私は3冊の絵本を未だに忘れない。

“3匹のやぎのがらがらどん”

“ぐるんぱのようちえん”

“しろいうさぎとくろいうさぎ”

である。

 私は今の子供たちにも是非、読んで欲しいと思う。

 ”3匹の~”はやぎの話しで、確か岩ががらがらどんという、やぎにしたら、何癖もある厄介者である。

 どうしても3匹のやぎは橋を渡らないといけない。

 まず、子やぎから。

「俺の橋をガタガタ言わせるのは誰だ❗」

と、言われて

「僕だよ❗でも、僕の後に来るやぎの方がもっといいよ❗」

と言って、2匹目のやぎが渡る。そして、同じ事を言って、3匹目のやぎが大きいので、ひづめで岩を粉々に砕いて、無事に橋を渡る事が出来たという話である。

 ”ぐるんぱ~”は考えさせられる物語である。

 ぐるんぱは象だ。

何時も、メソメソ泣いているので、象の集会でぐるんぱを綺麗に洗って人間の世界に送る事が決まった。

 皿屋のさーさんに雇ってもらっても、象サイズにお皿を作ってしまうから

「もう、けっこう❗」

と、クッキー屋さんやピアノを造る所や、次々とクビにされて、全ての荷物を持ちながら、ぐるんぱは自分は何をやってもダメなんだ~と、独りで歩いていると

「あ~、忙しい❗シャツは12枚❗靴下は24足❗子供たちの世話も出来ない❗」

と、忙しそうにしているお母さんにぐるんぱが12人の子供たちの面倒を見る、所謂、保育園の先生役になった。

 12人の子供たちがクッキーを食べても、象サイズだから、まだまだ余るし、お皿に水を入れたらプールになるし、ぐるんぱ自らピアノを弾いて、子供たちに歌って聴かせる。

 この物語から、人間も何度ダメでも、自分に何か合うモノがあるという事を作者は伝えたかったのだろう。

 だから、私の人生の根底にはぐるんぱの血がうごめいているから、諦めが悪い。

 ”しろいうさぎと~”は何ヵ国に訳されているし、絵も本物のうさぎのようで大好きである。

 私は幼稚園の頃と記憶していたが、背表紙に父の字で1の1 なかた のぞみ と書いてあったので、入学式に渡されたのだろう。

 テーマは結婚である。

 しろいうさぎは女性でくろいうさぎは男性。

 いつも、2匹で楽しく遊んでいるが、くろいうさぎが一人で悩んでいる。

 しろいうさぎが訊く。

それが、何回か続いて、しろいうさぎが

「何をそんなに悩んでいるの❓」

「いつもいつもいつまでも、キミとこうしていられますようにって、神様に僕、祈っていたんだ」

と、言うと、しろいうさぎは改めて、驚きながら

「もっと、その事を祈ってご覧なさいよ❗」

と、お互いの気持ちが分かって、その夜、動物たちに祝われて二人は結婚しました。

 それからというもの、二度とくろいうさぎは悩まなくなったという話である。

 私の両親は結婚とは相手に何かを求めるモノではなく、このように一緒に居たい❗というただそれだけだという人間に育って欲しい❗と思ったから、この絵本を私にプレゼントしてくれたのだろう。

 だから、私の結婚についての底辺は”しろいうさぎとくろいうさぎ”である。

 しかし、大人になるにつれて、こと日本の男性たちは女性たちに求める事が多すぎるし、女性は現実的な人が多いから、生活を重視する。

 私の結婚とはだんだんとかけはなれて行く。

 何故、愛する人が自分を愛してくれて、側に居るだけでいい❗と皆、言え無いのだろう❓

 だから、私は結婚も彼氏を作る事も諦めてしまう。

 私は現実離れしているのだろうが、この感覚は譲れ無いし、生きて行く為だからとは妥協出来ない質なようです。

 この絵本を与えてくれた両親に私は感謝している。

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