2025.1.7
アルフィーは明治学院大学で出来たと言っても過言では無い。
桜井と俊彦は明治学院大学の付属高校に入った。
桜井は親戚の叔父さんの家に下宿させてもらって、通っていたが、俊彦は電車で2時間掛けて通っていた。
それには理由がある。
俊彦は中学生時代、一番バスケットボールがウマイ選手で、東京と埼玉のバスケットボールの強豪校から、無償で来て欲しいと何十校から来ていたが、中体連でいつも一位だったのに、負けてしまって、先輩達に失礼の無いように、三位決定戦に挑んだ。
10点差が付いたので、試合経験の無い後輩に譲ったら、アレヨアレヨと追い付かれて、メンバーチェンジした。
最後のシュートが俊彦だった。心の中で
「入れ~❗」
と、叫んだが、そのシュートが外れて、気付けば一点差で負けてしまった。
あんなに練習したのに❗と、もうバスケットボールはやらないと決めてしまったので、自分がバスケットボールをやっていた事を知らない、明治学院大学の付属高校に入学した。
未だに夢にバスケットボールが出て来ると言う。
それぐらい、トラウマになってしまった。
かたや幸ちゃんは隅田川高校に入った。
偏差値が一番高い高校で、東京大学に何十名も入る高校だったが、入学式にギターを持って行ったところ、女性教師に
「ここは勉強するところよ❗」
と、叱られて、フォークソング同好会を創り、初代会長になった。
中学生の頃は成績が一番だったが、隅田川高校に入ったら、下から数えた方が早かったし、幸ちゃんも勉強よりもギターが弾ければ良いという考えだった。
俊彦のお父様が中学の校長先生で、少し学区が違っていたら
、幸ちゃんの校長先生だったかも知れないし
「俊彦❗坂崎君は隅田川高校なんだって❗」
と、驚いていた程だった。
桜井も幸ちゃんも
「高見沢のお父様に会う時は緊張したけど、お母様は知らない親戚の話しばかり俺たちにするから、変わってんな~と思ったけど、高見沢が聞いてくれないから俺たちに話したんだろうな~」
と、言っている。
幸ちゃんは魚が好きで本当は水産大学に入ろうと思ったが、水産大学は半年以上も船に乗らないといけないと分かり
「俺、ツライ事とか努力が嫌いだから」
と、いう理由で、自分の成績で入れる明治学院大学にしたのである。
もし、水産大学に行っていたら、アルフィーは無かったし、幸ちゃんはさかなクンみたいな魚名人になって、大学で教鞭をとっていたであろうし、桜井は実家を継いでいたであろうし、俊彦は英語の教師になっていただろう。
あんな先生がいたら、全校生徒の男子は長髪だったであろうし、いつも教師の方が忘れ物だらけで、遅刻ばかりしている先生だったであろう。
幸ちゃんが水産大学に行かなかったから、アルフィーがある。
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