笑わないアイドル・中森明菜

2025.2.18

 日本のアイドルは全てYESマンだし、それで良いとされている。

 特に女性アイドルは。

 女性アイドルに誰も意見など求めていないし、何時も笑顔でいればそれで良いと。

 中森明菜の少女Aのジャケットだけ、全く笑っていないどころか膨れっ面で睨み付けている。

 今の時代のアイドルでも、みんな笑顔のジャケットなのに。

 これには理由がある。

 中森明菜は少女Aを聴いて

「私、絶対に歌いたくないです❗」

と、言っていた。

 作詞が気に入らなかったからである。

 周りのプロデューサーが

「セカンドは少女Aにする」

と、言ったら、中森明菜はお手洗いに入り、鍵を掛けて1時間以上出て来なかったので

「明菜。おまえの好きな歌を最初に歌って10曲目に少女Aを軽く歌ってくれたらいいから」

と、説得して、彼女は自分が一番好きな歌がレコードになると思っていたら、少女Aに決まって、騙された❗と感じただろう。

 その機嫌をなおしてもらおうと

「ジャケットはプロのカメラマンがハワイに連れて行って撮ってあげるから」

と、言っても彼女は嫌々ながらハワイに連れて行かれて、カメラマンに

「明菜さん。笑って下さい❗」

と、言われても

「だから、私、少女Aは出したくないって、あれほど言ったじゃないですか❗」

と、カメラマンに膨れっ面で訴えた時、カメラマンは

「この顔だ❗」

と、少女Aのジャケットにピッタリな膨れっ面で睨み付けているジャケットになった。

 全てのアイドルが笑っている中、唯一笑っていないアイドルのジャケットに惹かれて買った方が多いし、歌を聴いたらウマイから、ベストテンに少し出れるようになり、次のセカンド・ラブが第一位。

 本当は彼女は来生たかおさんと来生えつこさんが創る曲が好きだったから、デビュー曲はスローモーションだった。

 少女Aを作詞した売野雅男がレコーディングにやって来ても、全く無視。

 嫌いな人はどんなに偉かろうと一切、挨拶しないのが彼女である。

 売野雅男にしたら、初めて自分に寄って来ないし、挨拶しない唯一のアイドルとして、多分、嫌いだったろう。

 ベストテンのスタンバイの前の一言がとにかく私は面白かった。

 河合奈保子と一緒に出て来た時

「奈保子さんはピアノが弾けるようですが、明菜さんは楽器は何か出来ますか❓」

「私はカスタネットくらいです」

と、そのまま歌に。

 工藤静香と一緒に出て来た時

「工藤さんは幼い頃から、自分の気に入った服が無いと、外に出なかったそうですが、明菜さんは❓」

「私はそんな贅沢言っていられませんでしたから」

と、工藤静香を黙らせて、そのまま歌に。

 リハーサルでも口パクの松田聖子にリハーサルも自分の声で歌い終わった後

「何故、聖子さんはご自分の声で歌われないのですか❓」

と、言って、松田聖子は返す言葉がなく、思わずムッとするだけ。

 4年生大学を出て、ようやく今の地位に上り詰めた男たちに限って、彼女の言っている事が100%正しいので、ムッとして、裏で

「中森明菜はワガママだ❗生意気だ❗ツッパリだ❗」

と、悪口を言いふらす事しか出来ない。

 しかし、彼女だって、真剣に音楽をやっている人はリスペクトして、逆に気を遣う女性である。

 一枚のシングルを決める時、100曲以上の有名無名関係なく、一気に集まって来て、その中で気に入った歌をレコーディングする。

 その歌を創った人が全く無名だろうと関係なく。

 だから、松田聖子との完全な違いは松田聖子は全て知っている、或いは今が旬と呼ばれるミュージシャンや作詞家、作曲家陣に対して、中森明菜の楽曲は

「この作詞をした〇〇さんって、一体誰だろう❓」

と、いう事が多々ある。

 もし、中森明菜につんく♂の創った♪めっちゃホリデー♪なんて、ふざけた楽曲を渡したら、笑いながら

「つんく♂さん。私、普通の歌手ですよ。コミックシンガーではないので、井上陽水さんや加藤登紀子さんみたいに素晴らしい楽曲を創り直して下さいませんか❓私なりに一生懸命歌いますから。でも、この歌、あまりにもバカバカしくて思わず笑ってしまいました。笑わせて下さり、ありがとうございます❗」

と、言って、アッサリ返されるだけだろう。

 それだけ、歌に対して、譲らない女性である。

 松本伊代さんがテレビで

「今度出す自叙伝をまだ読んでいないので内容は分かりません❗」

と、本当の事を言ってしまったのとは違う意味で、自分を貫き通したい女性なのだと思う。

 だから、全てのアイドル歌手はアイドルから脱出出来ないが、唯一、歌姫と呼んでいいのが中森明菜だけだと私は思う。

 そして、加藤登紀子さんが言っていた言葉が私は納得が行く。

「男性は上に行く程、人が寄って来ますが女性は誰も付いて行けなくなって独りになってしまいます。ですから、私は中森明菜さんや中島みゆきさんが好きなのです」

と。

 正直、アイドルでも、モーニング娘。やあやややAKB48や浜崎あゆみのような可もなく不可もない、お世話でせいぜい可愛いと言ってあげなくてはいけないルックスのアイドル達がさっさと結婚出来るし、子供もポコポコ産める。

 男性だって

「中森明菜は無理だけどあややだったら、俺でもイケる❗」

と、全ての男たちならばあややレベルならば行けるだろうが、中森明菜なら、余程、自分に自信がある男性か、逆に全くの勘違い野郎しか行けないから、ドンドン縁遠くなるのは皆さんも解るだろう。

 ハスッパのアイドルや女の子の方が、何時の時代も売れ易いのが、この世の真実である。

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