私程、ツライ女はいないだろう

2025.6.30

 私程、ツライ女はいないだろう。

 函館で一番ナンパされるし、数多くの男性から告白させると言われている女子高に通っても、誰一人、告白どころかナンパすらされなかった女は。

 私も学生時代にわざわざ彼氏を作って、自分の時間を無駄にはしたくはないと思っていたし、元々、結婚願望もないから、良かったが、同じく高校時代は彼氏は作らない❗と言っている女子高生も違う男子校生や社会人の男性から告白させているし、たったの5分で社会人の男性に3回ナンパされている女子高だったのに、私に声をかけてくれたのは雪道でスッテンコリン転んだ私に思わず

「大丈夫ですか❓」

と、見知らぬ男子高校生心配して声をかけてくれただけだし、高校2年の修学旅行で同級生と二人で京都の街を歩いていたら、私にだけ、サラリーマンの男性が

「気取んな❗」

と、怒鳴られただけです。

 二人に言ったのなら、まだ、解るけれど、何故、私にだけ❓と不思議でなりませんでした。

 そんな私にも、19歳の時、同じ高校だった女性と二人で街を歩いていたら、私にだけ

「女優になりませんか❓」

「ホステスに向いております❗」

と、声をかけられたのですが、女優ならまだしも、未成年がお酒を扱う事はいけないのではないのでしょうか❓と言うと

「私、貴女を既に大人の女性だと思ってしまいました❗スカウトマン失格ですね❗出直して参ります❗」

と、3,4人には丁寧にお断りしていたのですが、30,40人ともなると

「間に合っております❗」

と、言うのが精一杯で、身長が185cm以上ある、一人は確かピンクのもう一人は薄紫のスーツをビシッと着た、イケメンどころか、美形の二人組の男性に声を30何人目かにかけられて、スッカリ私はディスコの黒服だと思って

「間に合っております❗」

と、10歩程、歩いた後に

「もし、よろしければ、僕たちと一緒にコーヒーでもいかがでしょうか❓」

と、言っていた事に気付いて

「これがナンパというものなんだ❓」

と、初めて東京の渋谷でナンパをされました。

 もう一人の女性が

「中田さんが一人で歩いた方が男性から声をかけられるから、私は離れようか❓」

と、言われて、私は

「見知らぬ男性よりも、〇〇ちゃんと話している方が私は楽しいから、ずっと友達でいて❗」

と、頼みました。

 その女性、ジョン・レノンの大ファンで、ビートルズのファンクラブに入っている女性でしたから、ビートルズもジョン・レノンも詳しいから、全く知らない男性よりも、一緒に居て私は幸せだったのです。

 私は高校を卒業した後も、あるバンドでヘルプでエレキベースを弾いておりました。

 ボーカル兼エレキギターの女性が唯一、社会人で公務員でした。

 函館は公務員がアマチュアバンドをやり易いのです。

 何故なら、残業は一切ダメですし、土日は休みですから、スタジオで夜の7時から練習出来ますし、土日はライブをやれるので。

 ある男性が夕方5時過ぎに残業をやっていると、電話がジャンジャン鳴って、出ると

「俺たちの税金で給料もらって、残業代まで取るのか❗」

と、警察官以外はバッシングされるから、残業出来ないのです。

 その女性をみんな姉ちゃんと呼んでおりました。

 姉ちゃんは東京にサラリーマンの彼氏がいるのですが、サラリーマンに公務員の女性が合わせる筈がありません。

 ですから、遠距離恋愛でした。

 ある時、姉ちゃんが産まれた、函館から少し離れた村興しの為に公民館でアマチュアバンドの会があるからと、みんなで姉ちゃんの車に乗って行きました。

 私達、4人は公民館の教室のような所で自分たちの出番まで、他のバンドは一切観ないで喋って待っておりました。

 私達の世代は男性はBOOWYかX(現・X-JAPAN)のコピーか女性はプリンセス プリンセスか演奏は男性でボーカルが女性なら、レベッカかギターのしんちゃん曰く、裏声の浜田麻里のコピーばかりだったので、つまらないから、観ないのです。

 私達はというと、全て英語のパンクバンドでした。

 ボーカルの姉ちゃんが

「カラオケだったら、中森明菜とか日本語の歌を歌えるけれど、ステージで日本語の歌は恥ずかしくて歌え無い❗」

との事でセックス・ピストルズとか、日本人でも、英語で歌っている歌ばかりしかダメだったからです。

 私達が出ると、町の中学生がポカーンと口を開けて、初めて見る生き物のような顔をされ、所謂、私達はやり逃げして、ステージを降りました。

 そのまま、帰ろうと、姉ちゃんの車に行く途中、町の中学生がギターのしんちゃんと私に

「ピック下さい❗ピック下さい❗」

と、集まって来て、私は飴の缶に入れていたピックを全部あげてしまったので、また、買わなくちゃ❗と思ったまでは良かったのです。

 真夏でしたから、姉ちゃんの車は余りクーラーがきいていなかったので、私は後部座席の左側に座って、窓を開けると、東京でナンパしてくれた男性よりも、高身長の色白でまたまた、美形の男性がルックスを見たらBOOWYのコピーバンドだと直ぐに解る男性のエレキギタリストの男性が

「待って下さい❗」

と、言って、自分のはめていた指輪を外して、私の左手首を握って、薬指に指輪を差して

「もらって下さい❗」

と、言われ、私はビックリ致しましたが、右側の高校で一番モテた女性の宮も助手席のギターのしんちゃんも運転する姉ちゃんも、黙ってしまいました。

 正直、高校で一番モテた宮は数こそ、多かったけど、みんな、私だったら、振らなくてはいけない男たちだったので、私は逆に大変そう❓と思っていた男たちだったのですが、私に指輪をはめた男性も、付いて来たボーカルの男性も本物のBOOWYよりも、背が高くて、美形だった事は今でも覚えております。

 ギターのしんちゃんは女子中学生からピックをあげているから、余りムッとはしなかったのですが、姉ちゃんも大人ですし、押し黙るだけだったけど、宮は完全にムッとしてしまいましたし、私も

「知らない男性から、指輪をもらってしまった❗」

とは決して言える雰囲気ではなく、二人の男性は私達の車が見えなくなるまで

「お元気で❗」

と、90℃に頭を下げ続けておりました。

 ナンパしてくれた男性も、その指輪をはめた男性も、どちらも敬語で私に話し掛けたし、指輪をはめたから

「〇〇と申します❗僕と付き合って下さい❗」

「電話番号を書いておりますので、友達になって下さい❗」

等、全くなく、その男性に取って、指輪をプレゼントしただけで、何の得があるのだろうか❓と未だに分かりませんし、ある男性からは100万円以上はするであろう、紅珊瑚水晶を匿名でプレゼントされて

「私は一応、宝石商を営んでおります。紅珊瑚水晶を女性が持っていると、一生幸せになれると言われておりますので、これをノンさんにプレゼントさせて下さいませ❗」

等、だから、私と付き合って下さい❗もなく、いきなりプレゼントを貰うばかりで、東京に住んでいて、宝石商を営んでいる事は解るのですが、何処に住んでいるのか❓その男性に取って、何の得があるのだろうか❓と分からないプレゼントを貰ってばかりで、私は応える事すら出来ません。

 元々、結婚願望がないですが、このような理由で彼氏も出来ないのです。

 イケメンとか、カッコいい❗と言われる男性はたくさんおりますが、男性でも、美しい❗と言う言葉で表現しなくてはいけない人は数少ないから、私にいきなりプレゼントをくれる男性は全てそのような男性ばかりですし、告白どころか、自己紹介もしないので、私は多分、一生、独りでしょう❓

 美しい❗と言わなければいけない男性は数少ないでしょうから。

 私は鈍いそうですし、お返しすら出来ませんから。

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