ヤヌスの鏡

2025.8.22

 1999年代に発売された漫画のタイトルである。

 私はドラマで入った。

 杉浦美幸さんが主演で、好きで救ってくれたのは確か担任の男性教師である記憶だが、漫画では同じ学校の男子生徒になっているし、ドラマ以上に残酷な話しである。

 裕美ヒロミの中にユミという女性がいる、所謂、二重人格の話しである。

 私はそれに自分を重ね合わせてしまう。

 誰もが二重人格とまでは行かなくとも、表の顔と裏の顔があるし、表面と心の中は違う事はあるだろう。

 漫画では裕美のお母様がお父様の間に裕美を身籠ったのに、違う女性と結婚して、裕美のお母様は裕美の祖母にキツく対応され、入水自殺をしたから、裕美は子供がいなかった、他の兄弟のご夫婦の娘として表向き育てられたが、お婆様は尚更、厳しく裕美を育てた。

 裕美は幼い頃に屋根裏部屋にある鏡台に独りで話しかけて、そのもう一人はユミである。

 ヒロミはおしとやかというよりも、常にオドオドして、誰かが守ってあげなくては生きて行けないタイプの女性。

 ユミは自由奔放で、自分の思うように生きて行くタイプの女性。

 ヒロミの本音がユミになって、解決するし、ユミがいなかったら、ヒロミは生きて行けないし、ヒロミがいなかったら、ユミは居ない。

 ユミは実のお父さんを撥ね飛ばして、交通事故に見せかけて殺してしまう。

 ヒロミのお父さんはヒロミに

「貴女のお父さんでは無いし、私にも家庭と仕事があるから、高校生にもなったら、分かるよね❓」

と、言われてヒロミは泣きながらも、ずっと堪えているが、ヒロミの本音がユミになって、実の父親を殺してしまうのだ。

 ユミは涙が出た時

「私が泣いてどうするのさ❗それはヒロミに任せればいい❗」

と、愛して会いたかった父親を実の母親を自殺に追い込んで、娘の自分まで捨てたのだから、ユミにしたら始末して当然なのだ。

 ユミは自分を苦しませた人や邪魔する人を殺す事すら、全く罪悪感が無い。

 実は私の中にも、その恐ろしい人物は居るから、逆にこの話しが自分と重なってしまうのだ。

 簡単に分けて考えると、天使と悪魔である。

 普段の私は優しいというよりも、お人好しな人間だが、心の奥底には自分の行く道を遮るヤツは消してしまえ❗と、いう声がどこからか、多分、私の中から聞こえて来るから、自分で自分が怖いのだ❗

 私に失礼な事を言ったり、した男たちは消してしまえ❗や、私を傷つけた人間は消してしまえ❗と、聞こえて来るし、その時は全く罪悪感が無いから、恐ろしいのである。

 しかし、底辺の私は皆が幸せならばそれでいい❗とも思っているから、どちらが本当の私なのかが分からないし、どちらも本当の私であるだろう。

 私は普通の人よりも、その振り幅が大きいのだと分かっているし、自分は何人もの私が居る事は幼い頃から気付いていた。

 本当の事は本当の自分は自分でも分からないのかも知れない。

 良かった事にまだ自分の手で人を始末はしていないところである。

 私は優しくもあり、とても恐ろしい人間であるのは私が一番、理解している。

“ヤヌスの鏡”. への1件のコメント

  1. Quantez Xihuitl のアバター
    Quantez Xihuitl

    とても興味深い話ですね。このブログを読んで楽しかったです。

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